「へへ、負けちゃった」
そう言って頭をかいて、苦笑いをしていた。
全国大会出場がかかった決勝戦で、彼女達は敗れた。それも、ボロボロに。
「レベルが違ったんだよ、私達」
彼女はチームメイトを見下ろした。皆崩れ落ちて、泣いている。
「まあ、まだチャンスはあるし。頑張らなきゃね」
「お前な……」
「何よ」
「よく泣かないな〜」
俺がそう言うと、「えっ?」っと驚いた顔をした。が、しかし、すぐニヤニヤと笑い出した。
「だって〜ワタクシは男の子ですもの〜」
「おいおい、冗談言うなって」
「へっへっへ!」
彼女は変な声で笑って、俺にさっと背を向けた。
「……転校、するんだ〜」
その言葉を聞いた瞬間、俺の体は凍りついた。転校、転校、転校……。頭の中にエコーするその単語。
「ま、マジ?」
「うんっ!だから、泣いてお終いはっ嫌なのっ」
彼女は背を向けているから、顔はわからなかった。でも、きっと、笑ってはいないだろうと解っていた。
「さよなら、だよ。皆と。遠いところに行くから」
「…また会えるのか?」
「さあ、わからない。多分、ない」
彼女の口調から、もう彼女がこの地での未練全てを振り切っていることを知った。
「じゃあ、最後に握手でもしよっか」
俺が勇気を出して言うと、彼女はやっと振り向いた。
「OK。わかった」
差し出された手は、白く、細く、温かった。
「バイバイ」
end・
Title by…架空少年

![Powered by 269g[ブログ・ジー]](http://269g.jp/img/269g.gif)