2008年04月06日

空想空間をレイアウト


「おーい」

手を顔の前でブンブン振ってみせる。

「んー?」

あいつは、ボーっと空を見上げたまま。

「何考えてんだよー」

「あのねー好きな人とデートするならどこ行こうかなーって」

「へぇ〜……」

好きな人…ね。察すれば、俺は好きな人じゃないって事ね。はぁ。

「あ、そうだ。水族館がいーな。水のゆらゆら感がいいし」

そう言って、手首をフラフラとさせる。こいつ、目がだんだん空想の世界に浸ってきてるぞ。

「よし!」

「は?」

「では早速、シュミレーションに出発しよう!いい?『仮好きな人A』!」

「はぁ?」

手首をガシっとつかまれ、そのまま引っ張られるように歩き出す。


…まあ、しかたがない。しばらくは『仮好きな人A』で過ごして、本当の気持ちに気づいてもらえるまで待つか。

それは、程遠い目標だった。



end.


Title by…架空少年



ニックネーム 由姫 at 18:00| Comment(0) | 夕立後に会いましょう【短編集】
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