「ね、どこ行くの?」
俺の顔を覗き込んでくる。大きな目に俺の姿が映っていた。
「そーだな〜。そこの店入ろう」
返事を聞かずに歩き出す。こいつは、俺の行きたいところにいつでもついてきてくれるから。
扉を開けると、チリリンとベルが優しくなった。うん、なかなか洒落た喫茶店だ。
「コーヒー2つ。あと、日替わりケーキも」
注文をすると、品はすぐにやって来た。
「じゃ、食べよーぜ?」
「……」
「どうした?」
「え、あ、いや…。大丈夫だよ」
その時は慌てて笑顔を取り繕っていたけど、やっぱり様子がおかしかった。
俺の話に相槌をついてはいるが、頭に入っていそうにない。窓の外を頬杖ついて見つめ、なんとも儚い表情だった。
俺はたちまち不安になった。俺のこと、嫌いになったんだろうか。でも、本当に不安そうだったのは、彼女のほうだったのかもしれない。
…ふと、思った。俺は、自己中なのかもしれない。
こいつの意見、あんまり聞いた事がない。いつも俺が喋ってて、こいつがそれに従ってるって感じ。
「…なあ」
「え?」
「お前、何かしたいことあるか?」
「えっ、と……」
彼女は、しばらく黙っていた。
「…いいの?」
「もちろん。俺はお前のしたいことをするぞ?」
「……うん!」
その後にあいつは泣きそうな笑顔になって、「ありがとう」を言った。
end.
Title by…架空少年

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