鞄を肩にかけ、扉に手をかける。
「あっ、いやっ待って!」
ぎゅっと袖をつかまれた。ふう、とため息をついて振り向くと、やっぱり。ほっぺを膨らませて、寂しそうな顔。
「……なんだよも〜」
「だって、まだ宿題終わってないもん。教えてくれるって約束したじゃん!」
「俺だって自分の宿題があるんです!」
「いーじゃんもう高校生なんだから!私は受験生だよ?」
「……はいはいわかりました」
「♪」
強気に言われると、どうも弱い俺。年下だからって、甘えさせすぎだと思うよなー。全くワガママな彼女を持ってしまったな。
付き合い始めて早一年。俺は高校生になり、こいつは受験生。
こいつ、俺が県でトップレベルの高校に受かったと聞いたとたんに「あたしもその高校行く!」なんて言い出して、猛勉強を始めたんだ。ワガママ言っても、これだけば自分の力じゃないとダメだものな。
でも、俺が部活ない日はこいつの家庭教師をするって約束うっかりしちゃったから大変なんだよ〜。正直俺の成績が落ちそうで怖い。
「ねえねえ」
「んだよ」
「もし同じ高校に合格できたらさ」
「うん」
「絶対一緒に学校行こうねっ」
「……」
全く。どうも俺はこの笑顔に弱い。
しょうがない、今年は頑張ってこいつの勉強に付き合ってやるか。
end.
Title by…架空少年

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