2008年03月22日

謝るくらいなら傷つけるな

「ごめん!」

俺は腰を90度下げて、ユウに謝った。

「なーにが?」

ユウの奴、腕をがっしり組んで、俺を見下した視線を向けている。ふん、俺より頭一個小さいくせに。

「…待ち合わせに1時間遅れたことです」

「あら、どうしてかなー?」

「……ぼう」

「ん?ごめん聞こえないなー」

「寝坊しました!!」

「そーですかそーですか」

わざとらしく首をうんうんと頷いてみせる。やば、かなり怒ってるかも。

「…まあ許そう。ワタクシは心が広いので!」

まだ頬を膨らませながらも、ユウは俺に手を差し出した。俺は頭を上げ、その手を握る。

冷たい。ユウの手は、もうすぐ春だというのに冷えていた。
…俺のこと、ずっと外で待っててくれたからだよな。寒いのに、手が冷たくなるほど立ちつづけて。

「本当にゴメンな」

俺はまたそう言って、ユウの手を強く握った。もう、ユウを待たせるようなことはやめようと誓いながら。


end.



Title by…架空少年


ニックネーム 由姫 at 22:01| Comment(0) | 夕立後に会いましょう【短編集】
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